1. 2021/07/23(金) 21:00:02
(以下抜粋)
――土井さんは、料理はおいしくなくてもいいと言われます。
意外と思われますが、料理の「おいしい」が優先されるようになったのは、最近のことだと思います。現代の「おいしい」とは“味付け”のことであって、味付けという人工的なおいしさばかりを、おいしいと言っているのです。
家庭料理を作る時間もとれないというのに、いまだに 「おいしい」を強いる空気は強いですね。おいしくなくては料理じゃないくらいに思っているのです。(略)プロの料理人への要求を、家の料理にも求めているんです。だから、その要求にこたえるために、レシピの数字に頼る。
レシピにある分量を正確に計量することが、おいしい料理を作る方法だと信じているんです。人間はレシピに頼ると、自分の感性を働かせなくなるんです。
出典:p.potaufeu.asahi.com
味がわかっている人には、味は目に見えているんです。料理は手の仕事。自分が気持ちいい、心地いいというのを頼りにすればいいんです。味付けに頼らないで、「素材におまかせ」くらいになれればいいのですが、慣れないうちは、自分の感覚が信じられないものです。
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料理の世界に入って40年。おいしい料理をわたしたちに教えてくれる料理研究家の土井善晴さんですが、「料理はおいしくなくてもいい」と言います。さて、なぜでしょうか。