1. 2024/12/24(火) 19:09:31
長野県の東信地方に住む中学3年の男子生徒(14)は軽度の知的障害があり、読み書きが苦手だ。通っている公立中学校では数学と英語の授業を特別支援学級で受け、定期テストは学校側が配慮して平易にした問題を解いてきた。地元の県立高校普通科に進学することを望み、「友達が行く高校に通いたい」と話す。
しかし母親(59)には複雑な思いがある。「高卒資格の得られない支援学校ではなく、将来のことを考えると高校に行かせてやりたい。けれど現実的には点数が足りずに不合格になる可能性がある」。県内の高校入試は本年度から自己推薦型の前期選抜、一般入試の後期選抜ともに学力検査があり、得点力が大きな壁になっている。
母親は、息子の特性に応じた配慮を受けられるよう、医師に診断書を依頼したり、知能検査を受けたりと準備してきた。知的障害のある生徒が高校を卒業した北海道旭川市の事例を知り、近くに住む教員らに助言も求めた。受験勉強に励んでいる息子の頑張りを実らせてあげたい―。そんな思いで「とにかくできることをしたい」と前を向いた。
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公立高校の入試で、志願者が少なくて募集定員に空きが出ても不合格になる「定員内不合格」が、全国の教育現場の課題として取り上げられるようになっている。障害者の支援団体などは、何らかの障害がある受験生が定員内不合格となる事例が目立つとし、障害者の学習機会を広げる観点から合否の考え方を見直すよう求めている。