1. 2023/06/13(火) 10:19:13
「年収いくらの人の課税所得がいくらになるかは、医療費控除や生命保険料控除の有無などによって変わってくるので単純には言えませんが、そのあたりがないものとして高校生の子供1人分の扶養控除がなくなった場合の税額をシミュレーションしてみました。そうすると、年収800万円の人は前述した所得税率20%の水準にあたるので約10万9000円の増税になり、年12万円の児童手当があってもほぼプラスマイナスゼロ。年収1000万円の人なら約15万4000円の増税、年収1200万円なら約21万2000円も税負担が増えてしまう。完全なマイナスです。児童手当の所得制限を廃止すると言いながら、一定以上の所得者にはむしろ増税になるようなバランスの取り方を考えているわけです」
(中略)
「根本的な問題として、“高校生に月1万円を支給する”ということで子供を産む人が本当に増えますか? 『異次元の少子化対策』と銘打って児童手当を拡充するのであれば、こんなケチな話ではなく、子育て世帯の所得が実質的に月5万円、月10万円増えるというような思い切ったことをやらない限り、効果は出ないでしょう。たしかに、少子化は非常に深刻な問題で、改善されないと年金制度を含めたすべての社会保障制度が崩壊の危機に瀕します。選挙対策として聞こえのよさそうな話だけをして、財源も示さないというのでは、政府の覚悟は全く見えない」
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6月7日に経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)が開かれ、経済財政運営の基本指針「骨太の方針」の原案が示された。当初、盛り込まれるとされた岸田政権が掲げる「異次元の少子化対策」の財源については、詳細が含まれず議論が先送りとなった。児童手当については高校生への支給、所得制限の撤廃、第3子以降への増額などと喧伝されているが、その財源がどう捻出されるのかは不透明な部分が多く、むしろ子育て世代のなかでも負担増となる人たちが出てくる懸念がある。