1. 2023/02/13(月) 17:11:43
かねて環境意識が高い市民には知られていたヒートポンプだが、ネックは高い初期費用だった。温水タンクや室外機などの設置工事費を含めると、200万~300万円ほどの出費となる。
それがコロナ禍をきっかけに環境は一変した。コロナ復興基金を充てるグリーンディール政策の下でEU(欧州連合)各国は購入支援策を打ち出している。フランスでは、ボイラー式からヒートポンプ式への更新で費用総額の最大7割を税還付。イタリアでは100%を税控除する。
さらに需要を後押ししているのが、ウクライナ危機を受けた光熱費の暴騰だ。国や製品性能によって差はあるが、「ヒートポンプ式の場合はボイラー式と比べて2割弱の光熱費節約になるという試算もある」(ダイキン)。ロシア産ガスに頼らない暖房として、2021年に約60万台だった設備台数は、2022年に4~5割伸びた。
こうした動きを受けて、メーカーは投資合戦を繰り広げる。ダイキンは「2035年には販売されるほぼすべての家庭用暖房がヒートポンプに置き換わる」(ダイキンヨーロッパの亀川隆行副社長)との見立てから、約420億円をかけて初のヒートポンプ専用工場をポーランドに建設し、2024年7月に稼働を開始する。既存の3工場も増強し、生産能力を全体で4倍に引き上げる。
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ヨーロッパの家庭で今、空前のヒットとなっている日本企業の製品がある。ヒートポンプ式の暖房設備だ。