1. 2022/10/27(木) 23:11:08
父親の死後、妹は人が変わったように母と一緒になって罵詈雑言を絵里香さんに浴びせるように。絵里香さんは母親だけでなく妹とも距離を置こうと決めたのだが─。
「ピアノバーのオーナーが急死してしまい、閉店に。失職してしまったので、次を探している最中も、母親から罵詈雑言の電話が鳴りやまなくなって……。とうとうストレス性の突発性難聴を患って緊急入院しました」
突発性難聴は演奏家にとって致命的な病気だった。失意のどん底にいた絵里香さんを、母も妹も助けてくれなかった。
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「仕事が決まり、やっと自立できると喜んでいたときに、子宮がんが判明したんです。ステージ2でした。手術が決まったので母に知らせましたが病気を気遣う言葉もなく、保険の受取人の名義を母親に変更せよ、と命じるだけのはがきがきました」
絵里香さんが突発性難聴を患ったとき、病院に預けていた入院保証金を根こそぎ持っていった母親。がんだとわかったときも、絵里香さん名義の生命保険の満期が近かったために、絵里香さんが満期時に受け取れる全額を自分のものにしようとしていた。また、追い打ちをかけるように妹から、
「お金を母が支払ってきているのだから、名義変えするのは当たり前」
という母親の主張と同じ内容の手紙がきたという。
「涙があふれてきました。満期で受け取れる保険金を自立のために使い、保護受給を停止するつもりだったんです。だから、これだけは譲れませんでした」
ところが母から保険金を渡せという電話が1日に50件以上、それが1週間続き、絵里香さんは恐怖を覚えた。
「生活保護の担当者に電話で相談しました。すると“あなたの将来のためにお母さんと距離を置くほうがいいと私は思うわ”と背中を押してくれて。光が見えてきました」
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「仕事が見つかり、生活保護受給が終わって、新しいアパートも見つかりました。一緒に住む猫もいますし(笑)。でも賃貸契約時に連帯保証人になってくれる親族がいないため、家賃保証会社の審査を受け、やっと引っ越しができました」
「最近、母は病んでいるのだと達観できるようになりました。今は妹のことが心配です」
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父親の振る舞いのせいで離れてしまった母親と娘の心の距離。お金を無心する母の声を聞くたびに縁を切ろうと思い詰めた娘が“悟った”こととは。毒親に育てられた娘の悲痛な叫びーー。