1. 2024/03/17(日) 12:49:38
◇デジタル化で職場環境を改善
松山さんは改革に着手した。最初に取り組んだのはICT(情報通信技術)の導入だ。保育士1人にスマートフォン1台を用意し、連絡帳アプリを活用して事務作業を軽減した。
保護者からの現金の徴収では「10円足りない」といったストレスや手間があったが、キャッシュレス化で解決した。
また、リズム遊びや食育、障害児など各分野の「専門リーダー」を設け、専門性を磨いた保育士が管理職に進まなくても仕事を続けられるよう手当を支給し、キャリア支援にも取り組んだ。
クラスを担当しないフリーの職員も各園に2~4人配置した。松山さんは「この存在が重要で、保育士が事務作業に集中できたり、有給休暇が取りやすかったりする効果があります」
「東京や近隣の千葉県の自治体と比べると、お金(給料)では勝てませんが、居心地がいい環境を整えればなんとかなるものだと感じています」と話している。
+42
-1
「『1対25』では保育士の配置は全く足りません」。茨城県守谷市と龍ケ崎市で保育園5園を運営する社会福祉法人「山ゆり会」法人本部長の松山圭一郎さん(45)は、こう語る。 グループの各園では、保育士1人がみる4、5歳児の数は12人。「25人を1人でみていて、保護者からの電話があったら、その間は誰が見るのでしょうか。保育士が複数いないと成り立ちません。12人が現実的だと思います」と指摘する。 では、山ゆり会はどのように保育士を確保してきたのか。