1. 2024/01/19(金) 12:15:22
「今でも戦場の取材から帰国したときには、真っ先に富士市の実家に足を運びます。地元に帰ると、戦場で張り詰めていた緊張がふわっとほどける感覚で、穏やかな気持ちになれるんです。大好きなふるさとに何か恩返しができればと、2011年から、富士市の観光親善大使も務めています。生まれ育った町を大切に思う気持ちは、パレスチナやイラク、アフガニスタンなどの戦場で出会った人たちも、みんな同じでした。戦争でひどい目に 遭あ っても、愛着のある土地から決して離れようとしない。避難を余儀なくされても、いつか戻りたいと思い続ける。僕にも富士市というふるさとの存在があるからこそ、そうした彼らの気持ちがよくわかります。だから、戦火の中で生きる人々が、ふるさとで平和に暮らせる日が来ることを願ってやみません」
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大学時代から戦火の中で生きる人々を撮り続けているカメラマンの渡部陽一さん(51)。世界の紛争地を飛び回る生活を送っているが、幼少期から高校時代までを過ごした静岡県富士市はずっと特別な場所だという。(読売中高生新聞編集室 中村俊平)