1. 2023/11/13(月) 10:36:22
環境は適しているのに、千葉にはクマがいない-。謎は深まるばかりだが、下稲葉さんはその理由を「地理的な問題ではないか」と推測する。「房総半島の山は他の地域の山塊から孤立しているため、クマが森林を伝って来ることができない」。
また、過去にクマが生息しなかったのも、地理的条件が影響していそうだ。縄文期の房総半島は「縄文海進」(気温の上昇で海水面が高くなり、内陸まで海が入り込んだ当時の現象)の影響で、本州から孤立した「島」だった。「広い行動圏が必要なクマは小さな島では暮らしていけなかったのでは」。
では将来的には、クマが千葉にやって来る可能性はあるのだろうか。下稲葉さんは「誰かが連れてきて放ったりすれば、その可能性はあるかもしれないが…」と前置きしながら、「自力でやって来る可能性は非常に低いだろう」と話す。「川を泳ぐことはできるが、生息地から千葉までは遠い。途中で埼玉などの街中を通らなければならず、現実的ではない」。
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クマが街に出没して人が襲われるなどの被害が全国で相次いでいるが、実は本州で唯一、千葉県はクマが生息していない「クマなし県」であることをご存じだろうか? かつては千葉、茨城の両県にクマがいないとされていたが、NGOの約10年前の調査報告で茨城の出没例が確認され、晴れて千葉のみとなった。それにしても、もっと都会のイメージがある東京都や大阪府でも出没例があるのに、千葉にいないのは意外な気もする。