1. 2022/09/06(火) 20:55:42
こうした外国人ニーズを既存の日本資本は捕まえられたのかといえば、全く逆であった。バブル崩壊に苦しむ中、東山プリンスホテルはマレーシア資本に買収され、プリンスブランドから高級外資系ホテルブランドであるヒルトンに変わる。東急も開発適地の多くを外国資本に売却してしまい、日本資本が中心になることはなかった。まことに残念なことである。
最後に立ち寄ったのが花園エリアだ。ここは他の3つのスキー場とはやや趣が異なり、まだそれほど開発が進んでいないエリア。ここにパークハイアットがオープンしたことが不思議になるほど地味なエリアに見えた。この地での開発案件の相談があったので立ち寄ったのだが、現地で詳細を聞いて驚いた。
この花園エリアの主要な開発適地はすでにすべてが香港の開発事業者に押さえられているというのだ。その会社の経営者はリチャード・リー氏。彼は香港の開発会社パシフィック・センチュリー・プレミアム・ディベロップメンツの総帥。あの東京駅八重洲口にある超高層オフィスビル、パシフィックセンチュリープレイスの元所有者である。
実は花園エリアは、今はやや閑散としているが、北海道新幹線が2030年度に開通するとこのエリアに開業する新駅から一番近いエリアになるのだという。今はこの情報を聞きつけた日本の不動産業者が(私を含め)大勢現地に駆けつけてくるが、時すでに遅しなのだ。無理に土地を買おうとする我々に、リー氏はきっと猛烈な高値を付けたうえでにこやかに売ってくれるに違いない。
パーク ハイアット ニセコ HANAZONO
出典:assets.hyatt.com
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北海道ニセコといえば、コロナ前は外国人スキー客でごった返し、スキー場のある倶知安町は公示地価や路線価の値上がり率で全国上位の常連を占めるなど、まるで日本ではない外国人の街の様相を呈してきた街だ。