1. 2021/12/16(木) 22:46:52
確かに、男女間には生物学的な差異が存在する。例えば右脳と左脳をつなぐ脳梁(のうりょう)は女性のほうが大きく、幼児期の脳の発達の仕方や速度にも差がある。
だが、そうした違いが男女の能力や行動の違いに直結することを示す証拠は見つかっておらず、性別による違いより個人間の差異のほうがずっと大きいという見方が圧倒的に優勢だ。
それでもなお幼い男の子が冒険好きで、女の子にピンクの服を好む傾向が顕著に見られるとしたら、それは周囲の大人の反応や社会的な圧力によって小さな違いがじわじわと補強された影響かもしれないと、『ジェンダー化された脳』の著者で英アストン大学名誉教授のジーナ・リッポンは指摘する。
人形で遊ぶ女児に「女の子は優しいね」と声を掛ければ「女の子は常に優しくあるべき」という価値観が強化される。一方、乱暴な言動を「男の子だから仕方がない」と見逃せば、「好き勝手に振る舞っていい」という誤ったシグナルを送りかねない。
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玩具売り場といえば、人形やままごとセットが並ぶ女の子向けコーナーと、怪獣のフィギュアやラジコンカーが並ぶ男の子向けコーナーに区分けされているもの──そんな常識が変わりつつある。米小売り大手のターゲット社は男女別だった陳列棚を統合し、玩具専門店トイザらスは多くの国で商品に付ける性別表記を廃止。バービー人形で知られる米マテル社が発売した「ジェンダーフリー」の人形シリーズも人気を博している。