1. 2019/07/31(水) 20:19:56
そのうち、新幹線が運休になったらしいとわかった。
クレイマーさんは焦った。持っていたレールパスは、その日が有効期限最終日。翌日になれば、新幹線に乗れなくなってしまう。
しかも、日帰りの予定だったので現金をほとんど持っておらず、外国のクレジットカードを受け付けてくれる場所もほとんどなかった。
英語を話す人はいなかったが、クレイマーさんは仙台駅の駅員に「今日中に帰らなければいけない」と必死に説明した。その中の一人が、助けてくれた男性職員だった。
その職員は、彼を近くのホステルに連れて行き、部屋代を払ってくれた。
翌日仙台駅に戻ると、持っていたクレイマーさんのレールパスは使えなくなっていた。しかしあの職員が出てきて、クレイマーさんに新しい新幹線のチケットをくれた。
おかげで彼は、無事に友人の家に戻ることができた。
18歳の時に助けてくれたJR職員にきちんとお礼を言えなかったことは、今でもクレイマーさんにとって心残りになっている。
「もし会えたら、お礼をして、あの時にどれだけ助けられたかを伝えたい。そして、日本の人たちにとても親切にしてもらったことがきっかけで日本語を学ぶようになったことや、経済学者として日本発のビジネスに参画していることをご報告できたら嬉しいです」
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アメリカ・ハーバード大学で教鞭をとる経済学者のジャッド・クレイマーさんは、14年前の2005年に旅行先の宮城県・仙台市で大きな地震に遭遇して横浜に戻れなくなった。 その時に宿泊費を払って彼をホステルに泊め、帰りの新幹線に乗せてくれたJR職員がいた。 当時は日本語がわからず、きちんとお礼を伝えられなかったクレイマーさん。会って感謝を伝えたいと、その時の恩人を探している。クレイマーさんによると、助けてくれたJR職員は30代くらいの若い男性で、片腕だった。