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495. 匿名 2016/10/01(土) 00:36:00
昨夜から娘が発熱致し、今朝お醫者へ連れて行こふとした折の話であります。
この娘、「魔の二歳児」真っ只中で、毎日の服選びも自らせねば気が済まぬ様子。勿論、今朝も自ら箪笥を漁って、コオデネイトを自信満々に披露したのです。
然し、それと云ふのがーー、半袖シヤツにパンツ。ああ、何やら世間では長ズボンをパンツと云ふ様ですが、それではなく子供用の下着、そのものをオムツの上に履いておるのです。
上だけ着て、下はパンイチ(注.1)ーー。
大人ならば、一発で憲兵に通報案件。子供と云へど、虐待疑惑をかけられ、醫院に多数巣食ってゐる妖怪「可哀想婆」(注.2)に絡まれる事は必定。
そう覚つた私は必死にスカアトを履かせんとしますが、発熱時の二歳児に道理は通じませぬ。このスタヰルこそが至上であると信じて疑ひません。
その内に、診察時間は無情に迫り。ーーええゐ、儘よ、と私はスカアトと娘を抱え、お醫者へと向かつたのであります。
そこで、着いてから履かせれば良ひと云ふ私の目論見は脆くも崩れ去ります。
無駄に智慧を付けておつたこの娘、受付している間に「こんなの厭!」と云つて、スカアトを脱ぎ捨て、堂々とパンイチで醫院内を闊歩ーー。その様、巴里コレクシヨンのモデルが如くなのでありました。
其の後、何とかタヲルでコソコソ隠しつつ場を凌ぎましたが、お醫者様からは意外にも「熱があつても此れだけ元気なら宜しい」とのお言葉。これに、母の心も幾らか救われたやうな氣がしたのでした。…アア、ツカレタ。
注.1 パンイチ…パンツ一丁の事。例文「パンイチで小島よしおの真似をするなどお止しなさい」
注.2 妖怪「可哀想婆」…子供を連れていると現れ、「カワイソウニ」「最近ノオ母サンハコレダカラ」と鳴く妖怪。病院、市場に多く棲息している。+10
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