ガールズちゃんねる
  • 111. 匿名 2020/08/31(月) 21:09:29 

    静かな日曜日の昼下がりだった。俺はいつのまにかテレビを見ながら昼寝していたようだ。
    窓を開けると爽やかな風が入ってきて、寝ぼけた頭もスッキリした。今日はいい天気だ。
    俺はしばらく窓の外を眺めていた。そしてこんな時に家の中にいるのはもったいないと思った。
    俺は隣の部屋のドアを開けて尋ねた。
    「なあ、母さんはどこに行ったんだ?」
    床に寝そべってマンガを読んでいた娘はハッとして起き上がった
    「なっ、何よ!勝手に入って来ないで!」
    娘が俺をにらむ。
    「ハハッ、突然入って悪かったな。今日は母さんは遅くまでパートだったかなー。そういや、お前は今日は野球部の彼氏とデートには行かないんだな」
    「何で知ってるのよ。キモイ。変態。出て行って!」
    「ひどいな。予定がないなら一緒にでかけたいなと思って誘いにきたのに。前からお前とゆっくり話したいと思ってたしな」
    ところが、娘は俺の言葉を無視してスマホをいじりだした。
    俺は頭にきたと同時にショックをうけた。
    年頃の女の子だし、多少は反抗的な態度も覚悟はしていたさ。
    でも、俺の知る限りこの子は親思いの優しい子だった。裕福な暮らしではないが、不満も漏らさず、いつもニコニコしているような子だった。俺は、そんなこの子を心から愛していただけに、このような拒絶を目の当たりにして衝撃をうけた。
    会話が足りなかったのだろうか。
    でも、こうして俺が歩み寄っているのにひどいじゃないか。
    俺は思わずスマホを取りあげた。
    「やめて!返して!」
    娘は必死に叫んだが、俺は怒りにまかせてスマホを後ろに放り投げた。
    「黙れ!いい加減にしろ!」
    すると、娘はもう何も言い返さず、口をパクパクさせて怒りと恐れの入り交じった目で俺を見つめていた。
    今更俺からはなれようにも、ワンルームマンションの4階なんかに逃げ場なんて無いしな。
    母親が帰るまで時間はありそうだし、2人の時間をゆっくり楽しむとしよう。

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