1. 2025/05/07(水) 21:08:37
この会社は、いわゆる家族経営だった。会長Bと副社長Cが夫婦、その三男Dが社長であり、次男Eが元社長である。今回、Aさんにパワハラ発言を行ったのは副社長Cと社長Dだ。
パワハラ発言が行われた背景として降格処分がある。令和4年(2022)8月ころ、会社とAさんとの関係は悪くなっていた。会社は「Aさんが会社のお金を横領したのではないか」と疑い、Aさんは「横領などしていないのに会社が自分を窓際族に追い込もうとしている」と感じていたのである。
■ 副社長Cの発言
「うーん。すごい人だね、あなたね。心の中、のぞいてみたいよね。夜叉(やしゃ)だよ、夜叉。そんなことをね、言う人はね、普通じゃないって」
「あなたね、普通の死に方しないですよ、そんなことしてたら」
さらに、副社長Cは以下の「有給休暇否定」発言もしている。
「もうあなたに給料出す気はないし、早く、1日でも早く辞めてほしい。いなくなってほしい」
「有休マックスなんか、取れると思っちゃ、大間違いだからね。言っとくけど。大間違い」
裁判所は「有給休暇の取得を否定する発言である」として、副社長Cの発言は「Aさんに対する違法なパワーハラスメントとして不法行為を構成する」と判断した。
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Aさんが訴えた結果、裁判所は「有給休暇の取得を否定する発言である」「パワハラ発言だ」「個人的な人格非難だ」と認定して、社長たちと会社に慰謝料10万円の支払いを命じた。(東京地裁 R6.7.25)