1. 2024/12/11(水) 11:18:01
「無理心中は愛他的殺人と捉えることが可能で、かつての日本で加害者は同情の対象でした。背景には“家族は常に一緒”という価値観が強固だったことが挙げられます。昔の日本社会では『一家で夜逃げした』と耳にしても違和感を覚える人は少なかったはずです。親が借金などで雲隠れする必要があると、子供も連れて逃げるのです。そこには『子供の人生は親のもの』という思考も透けて見えます。しかし時代が移り変わるにつれ、『親は子供を守る』という文化は根強く残っているものの、『どれほど親が子供を愛していても、親は親であり子供は子供』という意識も強くなってきました。さらに裁判員裁判が始まったことも、無理心中を巡る刑事裁判では温情判決が減り、厳しい判決が増えたことに寄与したのではないでしょうか」(同・碓井教授)
ところが無理心中でも「親が子供を殺す」という裁判では判決の厳罰化が認められる一方で、「子供が親を殺す」という介護疲れを原因とする裁判で裁判員は温情的な判決を下す傾向が指摘されている。
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朝日新聞デジタルは12月1日、「『無理心中』は虐待だと知って 子ども635人が過去約20年で犠牲」との記事を配信した。こども家庭庁の調査によると、2004年1月から2022年度の約20年間で、父母など保護者が自殺を図った際、道連れに殺害された子供の数は635人。内訳は0歳が77人で最多、5歳が53人、6歳と9歳が50人と続いた。