1. 2024/04/14(日) 20:25:52
山口県がラーケーションという制度を導入することを発表した。「子どもが保護者の休暇に合わせて平日に年3日ほど学校を休める。欠席扱いにはならない」というもので、子どもにとっての有給休暇のようなものである。対象は小・中・高の学校と特別支援学校で、「ラーニング」と「バケーション」を組み合わせた造語であるラーケーションなる制度を、最近は全国の自治体がポツポツと導入して始めているところである。
また、みんなでワイワイやる国民的パーティーゲーム『桃太郎電鉄』、通称『桃鉄』シリーズでは、去年から学校向けに『桃鉄 教育版』というものを配信し始めた。導入は無料、桃鉄名物の貧乏神は出てこないなどの特徴がいくつかあり、授業用タブレットでプレイできるとのことである。
いつ頃からだろうか、世間の価値観もやや変わりつつあった。それまで、「長い時間をかけて努力するほど偉いし、結果につながる」という根性論的な考え方がありがたがられてきたが、「然るべき効率で取り組んで、然るべき成果をあげよう」という脱根性論もひとつのスタンダードになってきた。
そのような時代なので、ラーケーションや教育版桃鉄と聞くと「ずいぶん”やさしすぎる”のではないか」と感じる向きもあろうが、学習効果を高める可能性を秘めた方法という面からは評価されるべきであろう。
さて、子どもに「やさしい」社会になってきているのは先に述べた通りである。ときに「教育」の名を借りた大人から子どもへの理不尽なハラスメントが見直され、減ってきているのは間違いなく歓迎すべき傾向である。あとは、子どもへのやさしさのあり方、すなわち子どもへの負荷・負担をどう考えるかという問題である。
人間が健康に生きていくためにある程度のストレスが必要とされるらしいことは周知の通りで、子どももそれは同様である。むしろ子どもの場合は、ストレスがもう一段階有意義な体験になりえる。ストレスを経験することによって、ストレスへの耐性や、困難な状況を自ら解決していく力を育める可能性があるからである。
こうした考え方は発達心理学等の専門家が指摘していて、現場で子育て・教育に当たる保護者としてはぜひ肝に銘じておきたく思うのだが、やはりどうあっても「やさしさ」と「甘やかし」の境界線の設定は難しい。ひとつの定型を正解と定めて、それでゴリ押していけるような種類のものでもないので、子どもの性格や状況を見ながら、その時どきで判断していくしか方策がない。
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時代の変化とともに大きく変わったもののひとつに教育がある。子どもといえば厳しくしつけてなんぼ、いざとなれば殴っても構わなかった昭和の教育は、現代では不適切にもほどがある。