1. 2023/11/11(土) 17:50:29
Aさんは大企業に勤務していた65歳の男性です。妻は20年前に病気で亡くなってしまいましたが、一人息子も13年前に無事大学を卒業し、大手企業に就職しました。Aさんの現役時代の年収は1,200万円。退職金も貯金も十分でしたので、本来であれば、独身貴族の老後を送るはずでした。
しかし、50歳を過ぎたころ、Aさんは父親の介護のために「介護離職」したことで生活は大きく変わってしまいました。仕事を辞めても当面は退職金や預貯金などでしのげましたが、介護期間は10年を超えてしまい、再就職も厳しく、あと5年ほど残っている住宅ローンの返済もかなり厳しくなってきており、「住宅ローン破産」や「競売」といった言葉が頭をよぎる昨今です。
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■「返済期間の後半」に苦しくなりがちな住宅ローン
筆者は相談者の方に「住宅ローンは折り返した返済期間の後半が大変ですよ」とよく言います。
「住まいを購入しよう!」と思うときは家計に余裕があるときです。そのため、当初の予算を多少オーバーしても「返せるだろう」と思ってしまいます。
住宅ローンの返済が始まってから十数年も経つと、転職したり、収入がダウンしたり、Aさんのように介護が始まったり、と当初は考えてもいなかったことが起きます。家族の年齢や家庭環境をよく考えて、余裕を持ったローン計画を考えましょう。
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