1. 2023/11/07(火) 14:54:09
ネコは野生動物の大きな「脅威」 手術は不要、注射1本で繁殖を防ぐ米国の不妊法研究(ナショナル ジオグラフィック日本版) - Yahoo!ニュース
news.yahoo.co.jp
「ネコ活」や「ネコノミクス」などの造語も広まり、今やすっかりネコの人気は定着している。ネコを飼っている人はもちろん、そうでなくても、テレビやネットで見かけるネコのかわいい姿に日々癒されている人は多いに違いない。だがその一方で、ネコは野生動物にとって大きな脅威だ。世界自然保護連合はネコを「世界の侵略的外来種ワースト100」にリストアップしており、米国では、最大で年間40億羽の鳥と220億匹の小型哺乳類がネコに殺されているという報告がある。
ネコによるそんな被害を少しでも減らす対策の一つが、ネコの繁殖力を抑えることだ。そこで、飼いネコや野良ネコの数を管理すべく、安全で新しい遺伝子技術による不妊処置法を米国の研究チームが開発し、2023年6月に学術誌「nature communications」に発表した。
日本では「地域ネコ」や「さくらネコ」などと呼ばれているが、野良ネコを捕まえて不妊手術や去勢手術をした後また野生に戻す「TNR(トラップ・ニューター・リターン)」という方法がある。これは、個体数の抑制に効果があるものの、獣医師の協力をはじめ、手術代をどのように捻出するかや、手術を受けるネコの体への負担が比較的大きいなどの問題があった。
「高い技能を持つ獣医師を必要とせず、普通の人が誰でもネコに注射を打てるようにする必要がありました」と、研究を率いたシンシナティ動物園の動物研究ディレクターであるウィリアム・スワンソン氏は言う。
研究者は、6匹のネコにネコ版AMHの遺伝子を持ったウイルスを、比較のため3匹のネコに遺伝子を含まないウイルスを注射した。なお、ウイルスが運び屋となって遺伝子はネコの筋肉細胞のDNAに入り込み、何年もホルモンを分泌し続ける。その結果卵胞の発育が抑止され、排卵できなくなる。すなわち、注射1本で永続的に不妊にできて、手術は不要というわけだ。
この結果を聞いて不安になる人がいてもおかしくないと、ペピン氏は言う。「言ってみれば、不妊を引き起こすウイルスを作ってしまったんです。そこから物語が始まるSF小説はたくさんありますからね」
とはいえ、不妊ウイルスの流行を恐れることはない。このウイルスは自己増殖できず、感染しないように開発されるため、不妊症がうつるリスクはない。
+32
-62
出典:cdn-natgeo.nikkeibp.co.jp