1. 2023/09/18(月) 00:38:29
――昨年、日本柔道連盟が小学生の個人戦の全国大会を廃止しました。これも勝利至上主義に対するアンチテーゼなのですか?
柔道では、以前から親や指導者が負けた子どもを怒鳴りつけたり、審判の判定に対して文句を言ったりする問題が起きていたようです。さらには小学生に減量を強いる親や指導者もいた。勝つために大人が必死になりすぎていたのが、全国大会廃止のきっかけとなったと聞きました。日本柔道連盟には、たくさんの苦情が寄せられたそうです。「子どもが目標にしていたのに、なんで廃止したんだ」と。
でも、全国大会の廃止は英断でした。ぼく自身は、高校生、いえ、せめて中学生までは全国1位を決めなくてもいいのではないかと考えています。子どもの頃から全国1位を決める意味があるのか、と。
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子供向けのスポーツで「勝利至上主義」を見直す動きが広がっている。神戸親和大学教授の平尾剛さんは「競争主義が過熱すると、選手自身の成長の可能性を狭めてしまう。スポーツの目的は勝つことだけではない」という――。