1. 2023/07/21(金) 20:51:40
■共働き夫婦が「夫婦2人だけで育児」は困難だ
「育児を楽しむ男性=イクメン」であったはずが、いつしか過度の期待を抱え「育児も家事もでき、高収入の男性」を指すようになった結果、否定的な認識が増えてしまった。
「父母が両方とも家業を中心にやっている」というかつての体制は、当然父母以外の育児戦力(祖父母や使用人)がいたから成立していた。しかし今の時代、地域共同体は激減し、多くの夫婦が孤立して育児を担っている。現代で「共働き夫婦」が「夫婦2人だけで育児」というのも困難な話であろう。だからこそ、社会システムとして「共同体の再現」が必要であり、父母は積極的に外の支援を利用する必要がある。
出典:president.ismcdn.jp
(略)小児科医・保健師なども含め、専門職が「女性が母親になる過程」を支える仕組みができているのである。さて、男性はどうだろうか。確かに母子手帳の中身を読むことはできる。妊婦健診に同伴して話を聞くこともできる。しかし、すべて「サブ扱い」なのだ。産婦人科医や助産師はあくまで「女性の身体・妊娠・出産」の専門家だ。父親はメインのケアの対象ではない。
■「両親教室」では一番大事なことが学べない
これらの手技は育児全体のほんの一部の「切り取り」であり、一番知るべきである「育児の大変さ」を学ぶことはできていない。結果として、母親の育児の大変さを理解できないで母親を追い込んでしまったり、逆に甘い見積もりで父親自身が育児に参加し、キャパオーバーになって追い込まれたりしているのだ。
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本書では、「男性育児」が推進されているものの、そこには「支援」の観点が不足し、男性の育児参加が実際には厳しい状況であることを問題視。真に男性の育児参加を浸透させるためには、これまでの労働環境や女性中心の支援体制を見直し、社会全体に育児負担を分散させる意識が必要であるとして…