1. 2023/07/10(月) 11:07:05
福田政権(2007年~2008年)の頃、福田氏は公文書管理の強化に力を注ぎ、法整備に尽力してきた。そんな福田氏は今回の高市発言を以下のように厳しく批判した。
〈まず最初に強調しておきたいのは、公文書は「国家の証し」そのものである、ということです。わが日本国がどのように成り立ち、国家の仕組みや制度がどんなふうに出来上がってきたのかを証明する大切な証拠なのです。私は若い頃、アメリカの公文書館が膨大な文書を保管し、きちんと公開していることを目の当たりにし、大きな衝撃を受けました。民主主義国家の底力を見た思いがしました。そこで、私が官房長官と総理大臣の頃、公文書管理法の制定に道筋をつけたのです。
ところが近年、公文書を政治家が「捏造」と決めつけるとか、官僚が改ざんをするといった、とんでもない事件が立て続けに起きた。(中略)これは「権力の行使」に大きな問題があると考えられます。さらには「政治主導」に起因する問題もあります。〉
それにしても、なぜ公文書は大切なのか? 福田氏は「公文書は日本国の証し」だとして、熱を込めてこう語る。
〈そもそも公文書を改ざんしようという発想自体が言語道断です。なぜ公文書を残すことに懸命になっているかといえば、これが日本国の証しだから。「これこれこうした議論を経て、こんな法体系を積み上げて、今のこの社会ができているんですよ」というプロセスを示すものであり、国際社会に向けて「日本はこうやってきた」と説明するための証拠品なんです。その証拠を改ざんしたり捨てるなんて、とんでもない。〉
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今、公文書を軽視する風潮がひろがっている。「まったくの捏造」――今年3月、高市早苗経済安全保障担当大臣が国会の質疑で、総務省の公文書をこのように批判して波紋を呼んだ。この公文書は、高市氏が総務大臣だった安倍晋三首相の時代に総務省が作成したものだが、官邸が特定の民放番組を問題視し、総務省と解釈を巡る協議を重ねた経緯を詳しく記録していた。文書自体は単なる「記録」であり、あとから捏造された可能性は考えにくい。 にもかかわらず、高市氏は「これが捏造でないなら議員辞職する」とまで強弁し、国会は大荒れとなった。