1. 2023/05/11(木) 00:35:24
興味のあることに集中しているとき、ADHDの人々は自分がトランス状態に近くなることを認識している。だが確定申告をしたり、洗濯物を畳んだりと、客観的にはつまらないと感じる仕事に直面すると、ほぼ完全に機能停止に陥ることがあるという。つまり、そうした性質があるから、学校やきちんとした職場環境で指示に従うことが難しくなるのだ。
そして私個人にとっても、多くのADHDの患者にとっても、自営業こそが自然であり、自由が効くものだ。
「ADHDの人々は飽きやすく、衝動に任せて動くスリルを必要としています。企業経営は、そうしたスリルの感覚をもたらしてくれるのでしょう」。そう語るのは、ロッテルダム経営大学院の経営者論の准教授、イングリッド・フェルヘールだ。
「私が見てきた多くのADHDの経営者は、若い頃に味わってきた困難ゆえに、自らの価値を示したいと心から思っています。その最善策は自営業だということです」
私は子供の頃から睡眠パターンが不規則だが、彼の研究でも示されているように、これはADHDの症状としては非常に一般的なものだ。そして学生、あるいは会社員だった頃は「夜に眠れないから」といって始業時間を遅らせることはできなかったが、経営者になってからは、不眠にうまくスケジュールを合わせることができるようになっている。
CDC(米国疾病予防管理センター)によると、ADHDには次の異なる3つのタイプがある。
物事の細部に注意できない、忘れっぽい、指導に従うことが難しい、タスクを最後まで終えられない、などの特徴がある「不注意優勢型」。落ち着きのなさと衝動性が見られる「多動性・衝動性優勢型」。そしてその両方の要素を持つ「混合型」だ。
ウィクランドは次のように語る。
「多動性・衝動性優勢型は経営者には良い影響をもたらすでしょう。それはリスクをとって不安定を楽しむ意思、まずは行動してその後で考えること、膨大な仕事を抱えることに結びつきますから。こうした特徴は自営業をするうえで必要なことです。しかし不注意優勢型(のADHD)は、経営にあまり良い影響はないと思われます」
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発達障がいの概念のひとつであるADHD(注意欠如・多動症)の人たちは、いわゆる「一般的な暮らしかた」に適応することが難しい場合もある反面、フリーランスとして働くことに向いているという。自分自身もADHDであるジャーナリストが米誌「ファスト・カンパニー」に寄稿した。