1. 2023/03/08(水) 19:41:10
この背景を大高氏は「ハリウッド映画が定番化し、日本人の観客に飽きられてきた」とする。その要因の1つとなるのが、近年のハリウッド映画で多用され、進化を遂げてきたCG映像だ。かつては壮大なスペクタクル映像が観客に驚きや感動を与えたが、いまやそこに以前のような新鮮さはない。
もう1つがストーリー性。日本人の共感や感動を誘うウェルメイドな人間ドラマが減っていることだ。
昨今のハリウッドスタジオ経営者やプロデューサーによるマーケティング主導の製作は、過去の成功を踏襲し、観客のニーズに寄り添い、迎合するものでもある。
大高氏は「ハリウッドスタジオの企画力が脆弱化している。観客をハラハラドキドキさせた、かつての映画製作ノウハウに長けたトップやプロデューサーが減っているのかもしれない」と指摘する。
それにより、大枠で同じような内容の映画ばかりになってしまい、ストーリーの新しさといった新機軸が生まれてこない。アクションやラブストーリーといったジャンルを超えて洋画が定番化しているのだ。
それに加えて、大高氏はハリウッドスターの不在も洋画不振の大きな要因として挙げる。
「1990年代は俳優の名前で観客を呼べるスターが何人もいたが、いまやそんなスター主義は滅び、トム・クルーズだけが王道のスター性をつないでいる。彼1人だけでは興行は伸びない。いろいろな外的要因はあるが、スターを生み出せなくなったことが洋画衰退の根本にある」
出典:tk.ismcdn.jp
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