1. 2023/02/28(火) 22:46:15
「私のいた街は、他に比べて舞妓に対する金銭的な搾取が強い傾向にあったと思います。舞妓はんになってからのお小遣いは月5000円ほどで、その中から自分がほしいものを買っていました。デビューからしばらく経つと、お客さんからいただくご祝儀(チップ)を管理できたのですが、そこからおしろい代や日々の生活に必要なものを買わなくてはなりませんでした。いくら節約しても、チップだけでは足りないので、結局は貯金していたお年玉を取り崩したりして生活していましたね」そんな厳しい生活をしている舞妓も多いなか、さらに追い打ちをかけるようなこともある。
「街によるのですが、毎年行われる踊りの舞台のチケットを100~200枚ほど持たされて、お客さんに売り切れなければ借金になるような花街もあるそうです。
また、夏には舞妓の名前が入ったうちわをお客さんに配るのですが、それを置屋に勝手に発注され、8万円近く請求されたこともあります。普通に舞妓として働いているだけでは、こうした経費を払うことは到底できません。そうやって金銭的に追い詰められた舞妓が、『この人ならば』とお客さんに見初めてもらうために体を許してしまう……そういうケースも目にしました」
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「桐貴さんの告発を見て、自分が舞妓時代に受けた理不尽な仕打ちがフラッシュバックしました。多くの花街関係者は、桐貴さんの話を『妄想で言ってはる』と片付け、決して認めようとしませんが、私は実際に未成年の飲酒やお客さんからのセクハラを目の当たりにしてきました。彼女の告発を受けて、未成年の飲酒や、深夜のお座敷への同席を禁じる動きがあるようですが、それもほんの一部。中には『酒が飲めなくなって舞妓はんがかわいそうや』なんて口にする人もいるようです。花街の“本質”は今も変わっていないように感じます」そう語るのは、数年前まで京都の花街に舞妓として在籍したAさんだ。