1. 2023/02/19(日) 17:14:06
物流ドライバーの熟練テクを軽んじる荷主たち 「下請けの分際で」高齢社長の呆れた放言も、ホンネは「ドライバー様様」の痛々しい現実 | Merkmal(メルクマール)
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私たちの日常を支えている物流業界。そんな同業界で聞かれる、荷主からの「代わりはいくらでもいる」の言葉。このままでいいのか。
そして2024年問題、いやそれ以前からドライバー不足は深刻だ。元大手企業のベテランドライバーに話を伺う。
「部材輸送なんて万年人手不足です。公道にしろ構内にしろ、例えば航空機の主翼とか誰でも運べるものではありません。ロケットの部品だってそう。経験はもちろん、素質もいる。ドライバーのなかには「こいつは超能力者か」という熟練もいる。いや、本来プロのドライバーって特殊輸送だろうと宅配だろうとそういうものですよ。1日100個とか200個とかを毎日、時間指定やら不在やらの中で配達する。これも「あんたたち、やってみなはれ」ですよ」
中堅食品メーカーの物流課の担当者は「経営者の問題もある」と語る。
「各企業の担当も荷主として「代わりはいくらもいない」なんて本音ではわかってる話なんですよ。これから先はどうなるのかと怖いくらいです。でも経営サイドにわかっていない連中がいる。上の意向ではどうにもならない。時代が平成どころか昭和のままで、いまだに「下請けのくせに」「出入り業者の分際で」というオーナーもいます。それに迎合する役員もいる。もう70歳とか80歳なんで退場してもらいたいんですけど「人生100年時代だ!」なんてふんぞり返ってます。年齢で差別するつもりはありませんが、権力があるからと昔の感覚で労働市場を悪化させるのはどうかと思うのです。残念ですが、いまさら言っても変わらないでしょうし」
本当は実際の現場に、代わりなんていくらもいない。いまのところ「代わりなんていくらもいる」になっているとされる中小零細の宅配業すら、定年後に働き始めた団塊世代やその前後の世代(おおよそ65歳から80歳)のおかげでなんとかなっているだけで、彼らの年齢を考えれば「代わりなんていくらもいない」になるのは時間の問題だ。
そのツケはそっくりそのまま、この先の
「日本社会と現役世代の負担」
となる。だからこそ現役世代が「代わりなんていくらもいない」「あなたがたでなければ」といった本当の現場の実態が反映されるような世の中を、制度面も含め(これは政治の問題でもある)社会全体で作っていくべきだ。ごく一部の残念な「逃げ切り」に付き合って「代わりはいくらでもいる」と迎合したのなら、日本の物流も含めた現場は本当に終わりかねない。
現場が終わるということは、私たちの生活も終わりかねない、ということだ。
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出典:2.bp.blogspot.com