1. 2022/10/26(水) 16:35:14
――お子さん達との印象に残っているエピソードや言葉があれば教えてください。息子が自分に対して「もっくんかわいい」と発した言葉は、今でも忘れられません。3才の頃、パニックや癇癪は1回30分~1時間と、頻度も1日多くて3回あった時ですが、私はグッタリしてしまい、心療内科では鬱と診断され、投薬を開始しました。
息子はあまり話さず、何を考えているのかわからず、言葉が喋れても「お茶ちょうだい」「ちょうだい」くらいでした。一方、2才年下で定型発達(健常児)の妹は表情も豊かで、コミュニケーションもとても上手で会話も出来ていて、私は娘との関わりや笑顔に癒されてしまい、異常なくらい可愛がってしまっていました。(平等にしていたつもりですが、自然とそうなっていたのだと思います)
そして、恒例の息子の癇癪、パニックが起きました。正直この頃私が思っていた息子への感情は「どうして私を苦しめる?」という感じで、娘に思っていたような、子どもに対する“かわいい”と思う感情は一切ありませんでした。
そんな時に、長男が私に涙ぐむように「もっくんかわいい」と言ってきました。特性上、上手に言えないことがあっても、健常児と一緒で親から愛されたい気持ちやかわいいと思われたい気持ちはちゃんとあるんだなと、その瞬間ハッとして、とても反省しました。そして、気付かされました。上手く自分の気持ちが言えない障害特性、言葉数だって少ない、そんな息子から出てきた言葉の重みは、私にとってはかなりのものでした。「もっくんかわいい」――この言葉は、今でも音程すら忘れずに残っています。
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軽度の知的障害、自閉症スペクトラムの7才息子、健常児の5才娘を育てるお母さん。障害の理解を広めようとSNSやYouTubeで子育ての奮闘を発信し、「すごい」「尊敬」のコメントが日々寄せられている。しかし、息子さんが小さい頃はパニックや癇癪が多く、意思疎通もできなかったことから、母自身は育児うつになってしまい、つい娘さんばかり可愛がってしまっていた。我が子ながら平等に愛せず、息子さんに対しては“かわいい”と一切思えなかったというお母さんが我に返ったという息子さんの一言とは。