1. 2022/10/05(水) 00:39:41
廃止のきっかけは、同校で昨春に開いた講演会だった。体育座りで話を聞く生徒たちは姿勢が次第に崩れ、終盤には集中力を欠いているように見えた。矢田部校長は「体育座りが原因かもしれない」と考え、パイプ椅子の導入を発案した。豊北中には、試みを知った全国の教育関係者から問い合わせが寄せられる。矢田部校長は「体育座りは生徒たちにとって苦痛でしかなかった。パイプ椅子の導入で集中力が持続するようになった」と話す。
(略)さらに体育座りの状態でレントゲン撮影し、身体がどのような状態になるのか調べた。その結果、「両手で膝を抱え込む姿勢は拘束性が高く、背骨が曲がる。潜在的な腰痛を発露させたり、内臓を圧迫したりする可能性がある」との結論に至った。増田さんは「あぐらなど負担の少ない座り方も検討すべきだ」と話す。
久保准教授は「世界的にも体育座りのような姿勢を取らせる例は珍しい。手引に載ったことで、教諭の多くが『なぜこの座り方をさせるのか』と考えずに、子どもたちに指導してきたのでは」と指摘した。
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閉じた両脚を抱えるようにして座る「体育座り」。学校で子どもたちが座る際の姿勢としてなじみ深いこの体育座りを見直す動きがある。