1. 2020/11/30(月) 18:13:38
なぜ、潜在化しやすいのか。立正大の鈴木浩之准教授はその背景に「性的虐待順応症候群」があると指摘する。
父親などの加害者は「お前もいい思いをしただろう」、「お母さんに秘密をつくった」などと言いながら虐待を続ける。これは「グルーミング」と呼ばれる、被害者を手なずける行為。これをされると、子どもは「悪いのは自分ではないか」と責め始め、やがて高学年になり、性的虐待であることに気付いても、被害を訴えることをためらうようになる。
自分さえ我慢すれば親も逮捕されず、家族もばらばらにならないなどと考え、ひどい環境に適応させられてしまう。鈴木准教授は「被害を受け続ける状況に身を置く方が、楽だと思うようになる」と説明する。
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安心できるはずの家で、養育者やきょうだいから性的虐待を受け、苦しみを抱える子どもたちが大勢いる。全国の児童相談所(児相)が把握した虐待のうち、「性的虐待」はわずか1%程度だが、これは氷山の一角にすぎない。親の暴力などは明かすことができても、性的虐待は最後まで話せない子どもが多く、潜在化しやすいためだ。 実際、児相の現場では身体的虐待やネグレクトなどで一時保護した子どもが、性的虐待も受けていたと後から判明するケースが相次いでいる。深刻さが明らかになり、行政もようやく重い腰を上げた。...