1. 2020/10/04(日) 14:00:52
俺みたいな薬物依存症患者に限らず、なんか生きづらいなって思っている人、いっぱいいるはずですよ。でもそんな人たちがなぜ辛い思いを抱えるようになって、どうやってどん底から前に進もうとしているか、そういった希望に向かう話は全然、取り上げてもらえないんです。
法を犯した芸能人を叩いて面白おかしくストーリーを作り上げるだけ。回復するために必要なことや、回復した先の人生がどうなるかが分からないと回復への希望が持てないし、メディアにはそういった『良くなるため』の情報提供をして欲しい」
(中略)
…高知さんも最初の3、4ヶ月は、松本医師との押し問答が続いた。
「マスコミに書き立てられたあれこれが恐怖になっていて、正直、ここで言ったことが原因でまたどこかに閉じこもらなくちゃいけないんじゃないかと怯えていたんです。
そんな俺に対して松本先生は辛抱強く、手を変え品を変え依存症の話をしてくれて、凝り固まった自分の気持ちをひとつひとつ溶かしてくれた。たぶんずっと同じことを言ってくれたと思うんですけど、あるときストンと『あ、俺って病気なんだ』って腑に落ちる瞬間があったんです。
そうして心の防弾チョッキを脱いでからはどれくらい先生の前で泣いたかな……。覚えていないけどただただ、泣きました。2週間に1回通っていましたけど、本当だったら自分はもっと先生と話したかった。でもそれもマスコミが四六時中張っているので叶いませんでした」
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「芸能人の方が逮捕された報道を見るとビクッとするし、自分のこともフラッシュバックします。ただ自分の経験で言うなら、犯罪を犯したことは事実だから、犯罪者なのは間違いありません。でもマスコミは、真実から離れた報道で間違いを犯した人をコテンパンに叩きのめすだけ叩きのめして終わりにしてしまうでしょ。…