1. 2026/02/22(日) 17:57:25
「老後は生活水準を落とせばいい」頭では理解していました。そもそも「年をとれば、食も細くなるし、付き合いも減るし、老後は大してお金がかからないだろう」と考えていたのです。しかし、30年以上築いてきた生活レベルを急に変えることは、想像以上に難しいことです。外食の回数は減らせても、住居費や保険料は簡単には削れません。気づけば、1,000万円あった貯蓄は毎年取り崩すことに。二人の娘たちへの結婚援助資金と自宅のリフォーム費用には退職金の一部を充てました。もはや退職金は、“安心の塊”ではなく、“減り続ける残高”へと姿を変えていたのです。
さらに追い打ちをかけたのが、想定していなかった、67歳の妻の介護費用です。脳血管疾患の後遺症のため、昨年からグループホームへ入居することになりました。月々の施設利用料は年金だけでは賄いきれず、貯蓄の減少スピードは加速しました。
「現役時代、もっと貯金しておけばよかったとか、そんな後悔すら贅沢に感じます。いまはただ、明日の食費のために体を動かすだけです」
伏し目がちにつぶやく石井さんの現在の月収は、警備の仕事で得る約12万円。年金と合わせても、妻の施設費用と自身の生活費、娘たちへの小遣いを払えば手元にはほとんど残りません。立ちっぱなしの仕事は、70歳の体に想像以上にこたえます。
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「退職金と年金があれば、なんとかなるだろう」そう高を括っていた現役時代の自信が、老後になって崩れ去る――。そんな「老後破綻」予備軍が、実は大企業勤めのエリート層に増えています。...