1. 2025/12/16(火) 11:28:47
入院に同意した家族は、遠くに離れて暮らす長男。江口さんとは金銭を巡ってトラブルになっていた。
江口さんは閉鎖病棟に入れられた。個室にあるのは簡易ベッドとトイレのみ。手の届かない高さに小さな窓があった。「(警察官時代に見た)刑務所のほうがきれいだった」。向精神薬を投与され、その副作用で物が二重に見える。失禁したり、ふらついたりした。文字も書けなくなった。
終わりの見えない入院生活に、江口さんは絶望した。
「今も苦しみが心の中に染みついている。思い出したくもない。病院には不信感しかない」
富子さんと次男が退院を求めたが、病院は認めない。
「長男が同意しない限り、退院はさせられない」
2人はなんとか長男を説得し、退院が実現した。入院は37日間に及んだ。
当時の苦しみを、江口さんは今も周囲に打ち明けることができない。「暗いことを話すと家内も暗くなるから、悲しくて仕方ないけど心の中にしまっている」
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2018年12月、富山市でデイサービスを経営する元警察官、江口実さん(84)は妻の富子さん(79)と一緒に入居者たちの朝食を準備していた。ふと見ると、4人の男が土足で入ってくる。4人は江口さんを見つけるといきなり羽交い締め。引きずるように連れ出し、外に止めてあった民間の救急車に無理やり押し込んだ。