1. 2025/09/02(火) 16:50:38
■「タダ乗り」されるダイバーシティ
多賀:まさにケア労働において、夫婦関係を通じて、ある会社が別の会社に「タダ乗り」している事態が起きているんですよね。
たとえば社員に子どもが生まれたとき、女性社員には「定時に帰っていいよ」と促すのに、男性社員には当然のように残業を引き受けさせる企業は少なくありません。会社や上司はよかれと思ってやっていても、当の本人である女性社員も男性社員も、モヤモヤを抱えている。
この場合、女性社員を早く帰らせる会社は、その女性社員の夫の会社の利益のために、自社の優秀な女性社員の労働力を無駄にしていることになります。女性社員が早く家に帰ってケア労働をすることで、夫の会社は夫をビシバシと長時間働かせ続けることができるからです。
もしこれが同じ会社の別部署で夫婦が働いていたとしたらどうでしょうか。妻側の上司と夫側の上司は揉めるはずです。
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「私自身はファイザーでの働き方に満足しているものの、夫の会社の状況も良くならないと意味がない」という女性社員の声… ダイバーシティが進む会社で働き、社内でも家庭でも活躍できる女性がいた場合、その恩恵を受けるのは誰かというと、パートナーやパートナーの会社なんですね。「だったらもう家のことは妻に任せておけばいいや」と。