1. 2025/06/30(月) 11:56:03
天下一品を運営する天一食品商事と、フランチャイズ加盟店として天下一品との関係を保ちつつ、同時に三田製麺所も展開してきたエムピー側は、両社の持つ経営上のノウハウや、フランチャイズ加盟店との関係で大きく違う印象を受ける。
まず天下一品では「こってり」の注文が全体の7割を占めている。他がマネできないメニューの存在は、誰もが認める安定経営の武器だ。ただ、こってりスープの人気が強烈すぎるのは、逆に弱みにもなり得る。新規顧客層がこってりスープにハマるきっかけを作れなければ裾野を広げられない。先に触れたような「昔ながらのラーメン店」的な店作りも含めて、よくも悪くもコアなファン頼み、といった印象を受ける。
一方のエムピーキッチンは、天下一品のフランチャイズ加盟店として会社の基礎を築きつつ、2008年に1号店を出店した独自ブランド・三田製麺所が難なく50店を突破、自らフランチャイズ加盟店を募るまでになった。
三田製麺所の店づくりは、外食チェーンらしい「癖がなく、入りやすい店」と言える。ラーメン店を支える「成人男性」以外も入りやすく、こってりスープよりも好みが分かれないメニューのつけ麺は、幅広く顧客層を獲得しやすい。
偉大な師匠(天下一品)に付き従ってきた弟子(エムピー)が、自ら軍団(フランチャイズ)を率いるようになり、外食企業の経営者として違った地平線を見渡すようになってしまったようなものだ。
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全国で200店以上を展開するラーメンチェーン「天下一品」が、6月末をもって都内23店舗のうち7店舗を閉店する。