1. 2025/06/09(月) 17:17:32
一方で、「専業主婦」に対する風当たりがきついと感じることはあるという。女性は「軽く見られているな、と感じたこともあります」と打ち明ける。
その意見に同意するのは、埼玉県で暮らす専業主婦の女性(43)だ。看護師として働いていたが、夫(40)の海外転勤が決まったのを機に、30代半ばで退職し、専業主婦になった。
「週末に公園に行ったときのことです。たまたま出会った名前も知らないバリキャリ風の若いママと何気なく世間話をしたら『専業主婦だなんて、偉いですね。私はずっと子育てだけはできなくて、働いてます』と言われたことがあります。何も言えませんでした。わたし一応、大学院出てるんだけどな、って……」
家事・育児を担うことは誰もが認める重要な役割にも関わらず、働き続けることがデフォルトの時代になればなるほど、前出の“バリキャリマウント”が現れてしまうのかもしれない。また、専業主婦側も少数派となりつつあるがゆえに、そういった言葉に敏感に反応してしまうのだろう。
女性の専業主婦願望などについて研究してきた跡見学園女子大学の石崎裕子准教授(社会学)は、こう指摘する。
「専業主婦が女性の典型的なライフコースだった頃も、専業主婦の孤独感や不安感はあったはずです。ただ、今は生き方が多様化し、働く人も増えたことで、そこに留まり続けることへの不安や葛藤も大きくなっているのではないでしょうか」
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「私は専業主婦(主夫)」と自信をもって言える人は、今の時代どれぐらいいるのでしょうか。共働きが増える時代でも、家事・育児が重要な労働であることに変わりはありません。でも、なぜか肩身が狭い――。