1. 2025/05/12(月) 12:18:33
※一部抜粋幼少期から青年中期頃までは、学校生活に適応できず、トラブルを起こしては転校を繰り返すという人生でした。彼が私のところに初めて訪れたのは、高校1年生のときのことで、当時は地元の高校に通っていました。
もともとは違う全寮制の高校にいたそうですが、他の生徒から言いがかりをつけられたことがきっかけで不登校になった後、地元の高校に転入。けれども、その学校も高校2年生の3学期に退学し、通信制の高校に転入しました。
初診時には「この子はこのまま引きこもりになってしまうのではないか」と感じるほど不安定な状態でした。両親も同様の懸念を抱えていたようです。
ADHDもそうですが、ASDの症状の一つに「早起きができない」というものがあります。授業が午後から始まる大学の2部は、彼の生活のリズムに非常に良く合っていたのだと思います。
大学卒業後は就職せずに大学院に進学しました。大学院は、1部も2部も関係ありません。それを苦ともせずに、あれよあれよと言う間に修士号を取得して、大手IT企業に就職しました。
今でも定期的な通院と投薬は続けています。けれども、少なくとも現時点では、中学、高校時代の社会への不適応から社会復帰を果たした良例と言えるでしょう。
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ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)といった診断名が一般化する一方で、本人の能力や経歴との「ズレ」によって、周囲からの理解が得にくい状況も多々ある。