1. 2025/04/06(日) 23:24:13
国内外の研究から、アルツハイマー病患者の約3分の2が女性であることが知られています。
女性は閉経を迎えると、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が急激に減少します。エストロゲンは生殖機能だけでなく、脳の健康にも重要な役割を果たしています。
脳は体の中で最もエネルギーを消費する臓器であり、全体のエネルギー消費の約20%を占めています。なかでも、記憶や判断などを担う大脳皮質や海馬はブドウ糖に依存しているため、エネルギー供給の障害は認知機能の低下につながりやすいのです。
エストロゲンが急激に減少すると、脳はエネルギー不足に陥りやすくなります。そして、それを補うために白質(脂質を多く含む脳の構造)を代替エネルギー源として使い始めることが、研究で示されています。
そして、女性のアルツハイマー病リスクには、女性ホルモンの変化、糖尿病などの代謝異常、遺伝性といった要因だけでなく、教育や職業、性差別といったさまざまな社会的要因も複雑に関係することが判明しています。
実際、管理職や専門職など知的負荷が高い職種に就いていた人は、そうでない人に比べて、認知機能低下のリスクが約2割、軽度認知障害の発症リスクが約4割も低かったという研究結果もあります。
一方で、歴史的に見ると、女性は高等教育や専門職へのアクセスが制限されてきたため、脳への刺激が限られ、認知予備能の構築が難しかった背景があります。
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