1. 2025/03/11(火) 23:55:10
東京都豊島区立南池袋小学校では、下校のチャイムが鳴ると、1年生の児童が慌ただしく教室を飛び出していく。
そんななか、4人の女児が教室に残った。放課後の掃除当番だ。ロッカーから子供サイズのほうきを取り出し、掃除に取りかかる。
「ここにはいつもほこりがたまるよ」と、ひとりの子が床の溝を指さした。他の3人が手伝いに駆け付けた。掃除をすることで、子供たちには散らかさないという意識が身につくと、担任のコハシグチ・メグミはいう。
平等主義も学べる。「あとで用務員が片付けてくれる」は通用しないのだ。
筆者は東京での数年間で日本の教育制度の長所、つまり子供たちに自制心や他者への思いやりを教え込む点と、過度に調和を求めるといった欠点の両方を目にしてきた。そんな日本式の学校教育にどこまでこだわるべきかという我が家での議論が、本稿を書くきっかけの一つにもなった。
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自立心、他者への思いやり、規律を教えることに重きを置いた日本の小学校教育が素晴らしいと英誌「エコノミスト」が称えている。その一方、調和を重視するあまり創造性が育まれない場合もあると指摘する。