1. 2024/09/03(火) 00:00:23
テレビドラマの場合、プライムタイム(午後7~同11時)の1時間作品の制作費は1回当たり平均3000万円だが、Netflixの1時間作品の制作費はその約5倍。1億円を軽く突破している。
Netflixは撮影期間がテレビドラマの2倍以上はある。1クール(3カ月)放送するテレビドラマは撮影期間も約3カ月だが、Netflixのドラマは10回分を半年以上かけて撮る。時間がたっぷりあるから、俳優は監督と議論を行いながら撮影に臨める。俳優側には魅力だ。
一方、各局はCM収入が回復しないため、1回当たり3000万円の制作費の確保すら難しくなっている。今年に入ってから放送されたドラマの中には制作費が2500万円を切った作品もある。もはや節約して乗り切れるレベルではない。プロデューサーはドラマのクオリティを高めることより、いかに予算を切り詰めるかで頭がいっぱいになってしまうだろう。
制作費不足のドラマは瞬時に分かる。通常のドラマよりカット(場面)数が少ないからである。カットとは、同じ構図の映像。カット数が多いほど見応えが出る一方、少ないと退屈な映像になってしまう。
プロの俳優以外のタレント、お笑い芸人が起用されやすいのも制作費不足のドラマに見られる特長。演技のプロでなく、ドラマ出演の実績も少ないと、ギャラが安く抑えられるためである。
テレビドラマ界にとっての危惧は、俳優たちにないがしろにされるようになってしまうことではないか。既に「ドラマに出るのは顔を売ってCMを取るため」と、冷めた言葉を口にしている芸能事務所スタッフもいる。
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