1. 2024/08/16(金) 15:42:05
■体験の費用を子どもに対して補助する
問題の本質は、子どもが参加する「体験」を誰が選ぶかにある。低所得家庭の子どもにはこんな「体験」が良いはずだと「社会」の側が決めてしまうのか。それとも、「子ども」自身がやってみたいことを見つけていくのか。
最近では、「体験」に関わる各分野の非営利団体などの中からも、寄付金や民間の助成金を原資に、子どもに対して直接的に経済支援を行うケースが出てきている。
今後は、民間資金だけに頼らず、国や自治体の政策として「体験」の費用を補助していくかの議論が必要になる。
例えば、すべての小学生に対して月に5000円(年間6万円)を補助した場合、必要な予算は3600億円ほどになる。全体の1割強に及ぶ相対的貧困家庭の小学生に限ればおよそ400億円だ。国が実施する高等学校の授業料無償化施策(高等学校等就学支援金制度)の令和6年度予算が約4000億円であることを考えると、決して実現不可能な金額ではない。
実際に、行政による「体験」にかかる費用の支援は、自治体のレベルで少しずつ始まっている。
+8
-412
子どもの「体験」に焦点を絞った経済的な支援には、大きく二つの方向性が考えられる。「子ども」(=個人)に対して直接的に支援するか、「担い手」(=事業者)に補助をすることで間接的に子どもを支援するかだ。いずれも大切な支援策だが、私としては、前者の個人補助をより拡充していくべきだと考えている。 「子ども」(実質的には保護者)に対して直接的に補助をすれば、子ども自身が自分のやってみたい「体験」の場を選ぶことができる。習い事の月謝やプログラムの参加費などに柔軟に利用できる。