1. 2024/04/23(火) 20:44:28
冒頭で示した通り、人材紹介業の市場は年間18%以上と、著しい成長を見せています。成長の要因は、昨今の人手不足にあります。
大手企業であれば求職者の方から問い合わせがあるかもしれませんが、特に中小企業に関しては、今までのようにハローワークや転職サイトに求人票を掲載しても応募すらないというところもあります。ハローワークの掲載は無料ですが、転職サイトに求人を掲載するには費用が発生します。どうせお金を払うのなら、確実に人を紹介してくれる紹介会社を利用しよう考える企業も増えています。
転職希望者にとっても、紹介会社は不可欠な存在となっています。従来は、ハローワークや求人誌、求人サイトなど求人情報は特定の媒体に閉じていました。しかし現在は、SNSや各社のサービスなどを通して手軽に、これまでと比べ物にならないほど多くの情報を入手できます。
その反面、情報が多すぎて絞り切れないという人もいるかもしれません。こうした求職者にとっては、寄り添って指針を与えてくれる人材紹介会社は頼もしい存在でしょう。
人材紹介会社は、求人企業と求職者のマッチングのみですので社会保険料の負担は発生しません。経費も紹介会社の社員の給与とその活動費くらいしか発生しないため、利益率が高いビジネスモデルといえます。こうした状況を踏まえてか、職業紹介会社の新規参入は増え続けています。筆者の元にも新規許可習得の問い合わせが毎月のように寄せられています(人材紹介会社の許可取得の代行業務は社会保険労務士の独占業務です)。
ただ、参入業者が増えれば、当然競争は激化します。頭数をそろえるのが最低条件である派遣と異なり、人材紹介会社は企業が求める高度なスキルを持った即戦力人材を集める必要があります。人手不足とはいえ、要求するスキルが満たされなければ採用は見送られるでしょう。ビジネスモデルがシンプルなため、求職者の転職が決まらなければ売り上げはゼロになってしまいます。売り上げがなければ、経営が成り立たなくなり、倒産してしまうのです。
こうした状況下で求職者は、どう人材紹会社と向き合えばよいのでしょうか? 大手だから安心、フリーランスだからと避けるという企業規模で判断するのではなく、担当者の態度を見るとよいでしょう。むやみに転職を急がせる、給与など転職先の良い面だけを強調する担当者は要注意です。転職できたもののイメージと異なる仕事内容や社風に満足できず、再び転職活動を始めることになりかねません。
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転職経験者であれば一度はお世話になったことがあるかもしれない人材紹介会社。人手不足の今、企業と転職希望者との橋渡しをする存在としてより身近なものになっています。 しかし2023年は、00年以降で最多の16件の倒産が発生。規模は大きくないですが、コロナ禍前の19年(4件)の4倍と急増しています。