1. 2024/04/19(金) 11:07:14
「養育困難状態にあるものの、誰にも助けを求められない。余裕のなさから子どもにあたってしまう。金銭問題や浮気など、配偶者との間で生じた軋轢からのストレスを子どもにぶつけてしまうのです。虐待にまで発展するケースはなにも珍しいことではありません。そのため、養育環境の改善こそ着手すべき問題だと思います。実の親が育てられないなら、里親や特別養子縁組という選択肢を考えてもいいと思います。ですが、日本の現状では、むしろとても困難なことなんです。家父長制度が根強く残る日本では『血のつながり』を何よりも重視し、両親や親族以外の大人が子供を育てることに難色を示す傾向が強いと思います」
(中略)
「繰り返しになりますが、虐待が起きるのはごく普通の家庭です。何も特殊な環境ばかりではありません。金銭的に余裕がある家庭でも、ない家庭でも、社会的な地位や知名度があってもなくても虐待はどこにでも起こりうること。身近なことなんです。そしてなによりも、自分自身が子供を虐待しているかもしれない、ということに気づいてほしいです。
子育ては周囲を頼ることが大切です。そして、周囲も気にかけてあげる。そうしたお互いに思いやる気持ちを持ち続けることが、虐待を減らすことにつながるということを理解してほしいと思います」
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「子どもの健全な成長を考えたときに、『実の親』ではなくてもいいと思う時があります。子どもが健やかに成長できるかは、養育環境によって決まると考えられています。子どもの将来は環境によって大きく左右されるんですね」 そう話すのはジャーナリストの草薙厚子さん。少年鑑別所、児童相談所で職員として働き、多くの子どもたち、そして家族に関わってきた。