1. 2024/04/03(水) 10:09:23
「隣の駅前にはスポーツジムもあるし、やりたいことは何でもできるんだから何か見つけたほうがいいと言いました。少しずつ家事はやってくれていましたが、なんだか元気がないので心配だった」
ノリエさんの知っている母ではなかった。年齢のせいなのか、はたまたどこか悪いのか。弟にメールでそんなことを話すと、弟は「お母さんって、もともと人見知りだよ」と返事を寄越した。
「びっくりしました。弟の目にはそういう母だったのか、と。私と弟は8歳離れているんですよ。だから私が家を出たとき、弟はまだ10歳。弟が10代のときに見てきた母は、人見知りであまり外に出ることもなく、父の陰に隠れて生きているような人だったらしいんです。私は授業参観に来て、他のお母さんと話している姿とか笑顔が印象的だったんですけど。弟に言わせると、私が進学で家を出てからおかあさんは元気がなくなったって。今さらそんなことを言われてもね……」
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「私は大学入学と同時に東京へ出てきて、それ以来ひとり暮らしをしていました。15年のひとり暮らしを経て結婚。子どもも生まれました。家族4人で、忙しいながらも楽しい日々を送っていたんですが……」 そう話すのは、ノリエさん(48歳)だ。33歳のとき、長年の友人だった男性と結婚し、今年から中学生になる娘がいる。一昨年、実父が闘病の末に亡くなった。ノリエさんには弟がいるが、現在は海外暮らし。母はひとりで暮らしていけると言っていたが、あるときノリエさんが様子を見に行くと、家の中はゴミがたまり、父の自慢だった庭も荒れ放題。