1. 2024/03/24(日) 15:48:37
「東京や京都などの平均客室単価は去年の同時期と比べて5割程度上昇している」。全国展開するビジネスホテル大手の関係者は3~4月の見通しをそう語る。インバウンド客が殺到している観光地のホテルは、2024年も価格が高騰することになりそうだ。
ホテル価格の高騰が顕著になったのはコロナ禍が明けてからだ。例えば、共立メンテナンスが運営をしているドーミーインの2023年10~12月の平均客室単価は1万4400円と2019年同時期と比べると約35%上昇している。
単価が高騰しているのはビジネスホテルだけではない。大手ホテル予約サイトを見ると、オークラ東京(港区)は約11万8000円(4月8日から1泊の素泊まり料金、48平米)、パーク ハイアット 東京は約19万8000円(同、55平米)とラグジュアリーホテルも強気の価格設定をしていることがわかる。
ホテルの価格が上がり続ける背景には3つの事情がある。
1つ目がインバウンド観光客の急増だ。水際対策が緩和された2022年10月以降、インバウンド客回復のペースが加速した。
2つ目がコストアップの転嫁である。ホテルはフロントや調理など多くのスタッフを必要とする。
コロナ禍で多くのホテルは経営を維持するために人員削減を行ったが、宿泊客が一気に戻ったことで人手不足が深刻となっている。そのためホテルは新卒社員の初任給増額など待遇改善を進めている。
そのほかにも水道光熱費の上昇や客室清掃やリネン会社など委託先への支払い料金の増加などもある。客室の販売価格にこうしたコスト増加分が転嫁されている。
3つ目がホテル会社の経営戦略の変化である。コロナ前までは、客室をどれだけ埋めるかという「稼働率」を重視してきたが、コロナ禍を経て「客室単価」を重視した販売戦略をとるようになった。
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東京でも桜が開花しはじめるなど、春の行楽シーズンがやってきた。