1. 2024/02/19(月) 23:11:15
いまから10年ほど前、アマゾンが受注から最短1時間で配達するサービスを開始すると、楽天やヤフーなど大手が追随するサービスをスタートさせましたが、現在もスピード配達を武器にしているところは、ヨドバシ・ドット・コム以外には見当たりません。
ほとんどのサービスが、アマゾンへの対抗意識から実施する中、同社の場合、「なぜ、スピードを優先するのか」という根拠が明確にありました。
当時、副社長だった藤沢氏は、エクスプレスメール便(現在のエクストリームサービス)を提供する狙いを次のように答えています。
「即日配送をすると配送会社に大きな負担がかかると言われますが、商品の受注後、早く届ければ、受け取ってもらえる確率が高い。商品を在庫として保管したり、再配達したりするコストを考えれば、即日配送でもメリットが出せる。店舗在庫の活用や、ピッキング、梱包こんぽうなどのオペレーションの効率化を図れば、トータルコストも抑えられます」
2024年問題やドライバーの確保が厳しくなっている現在は少し状況が異なるかもしれませんが、同社の物流は「受注後、5分で商品のピッキング完了、30分以内での出荷が可能」なレベルにあり、それにより「自社社員による最短2時間30分での配送」および、「最短30分以内での店頭受取」が実現されました。
また、自社社員による配送にもこだわりがあります。
「いくら即日に届くとしても、配達員の対応が悪いと、お客様は寂しい思いをするでしょう。お客様に、注文から手元に届くまでのすべての過程において、満足していただくことが大事」
と藤沢社長は語っています。
配達予定時刻が事前に1分単位の正確さでメール連絡されることや、梱包ひとつとっても、開梱しやすいように点線で切れ目が入っており、かつ、その開梱の手順がイラストで記してあるなど、顧客を大事にしていることがよくわかります。
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ヨドバシカメラのECサイトは100円以下の電球やボールペンなども送料無料で配達している。なぜヨドバシは送料無料を続けられるのか。物流コンサルタントの角井亮一さんは「ほとんどのサービスは、アマゾンへの対抗意識から実施したので、続かなかった。一方、同社の場合、送料無料の即日配達を続ける根拠が明確にある」という――。