1. 2023/12/14(木) 15:39:56
■「夫」から距離をとる
自分は家業に徹し、瑠美は子育てと家事に徹した「昭和レトロ」の夫婦像は幻想だったと気づくのに多少の時間を要した。
そして行き着いたのが「離婚」の代替案の「卒婚」である。
70歳で家を新築するというのは突飛な発想と周囲は止めたが、川上さんにすれば半ば離婚に傾いている妻を引き戻す最善の方法だった。
それまでの築50年のボロ家は冬にトイレに行くのにダウンコートを着るほどの隙間風だらけだった。「冷暖房完備、断熱仕様の家に住みたい」というのが、働き者で始末屋で暮らしてきた妻の長年の夢である。
一方の恵子さんは講演で聞いた精神科医の話を覚えている。
「夫原病かなと思った時は夫から1秒でも長く、1メートルでも遠くに離れること。心より物理的距離感が大事で、続ければ関係性が長続きします」
出典:gendai-m.ismcdn.jp
結婚20年以上の熟年離婚に踏み切る前の選択肢としての「卒婚」も有力な選択肢になりつつある。中高年向け雑誌の『ハルメク』が女性150人に行ったアンケートでも、卒婚をすでに実行中の人、これから実践したいと考えている人を合わせると66.7%に達している。
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同居しながら「卒婚」する夫婦