1. 2023/11/09(木) 21:49:12
興野医師は精神的課題を持つ妊婦の支援をした経験から、孤立出産に至る女性にも同じような傾向があると感じ、蓮田理事長の依頼でこれまでに赤ちゃん遺棄事件6件について、母親の精神鑑定を行った。その結果、全員が神経発達症を抱えていた。神経発達症は脳の働きに特性があることで、見通しを立てた行動やコミュニケーションが 苦手などの症状があり、知的発達症やADHDなどが含まれる。知能指数の平均値は85以上115以下、知的発達症の診断を受けるのは70以下だ。
興野医師は、彼女たちの症状はそのはざまにある境界知能、いわゆるグレーゾーン、もしくは軽度であると指摘。そのため受診や支援につながらず、生きづらさを抱えたまま事件になり、興野医師の検査によって初めて発覚したのだ。
精神科医・興野康也医師:
気づかれない。性格としてしか見られない。単なる怠け者、欲望に走っているとなってしまう。孤立出産の女性の裁判は社会の助けの手の乏しさを検討しないと意味がない。女性がやったことは悪いことだと立証するだけなら表面的な議論です
(中略)
精神科医・興野康也医師:
罪を減らしてほしいとは全然思っていない。本人だけが悪いのではなくて、支援を提供できなかった精神科医療はどうなのか、学校はどうなのか、職場はどうなのか。みんな反省すべき点はあると思うし、そこに注目した方が同じような事件が再発しない。正直、我々をあざ笑うように似たような事件が起きていて、減っていく気配を感じない。我々の打っている対策は的を射ていないと思う。一番大事なポイントを外しているから同じような事件が繰り返し起こる
事件の被告になって初めて明らかになる、特性や背景。慈恵病院の蓮田理事長は「裁判での証言活動を通して、陣痛が来る前に保護する“内密出産”の必要性を再認識した」と話す。
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全国的に後を絶たない母親による赤ちゃん殺害事件、その背景を探る2人の医師がいる。「こうのとりのゆりかご」などの取り組みを続ける慈恵病院の蓮田健理事長と、精神科医の興野康也医師だ。2人の活動を追った。