1. 2023/10/22(日) 19:45:02
発端となったのは、漫画家の「年収の低いアシスタントを守るためにインボイス(適格請求書)制度に反対する」という旨の声を紹介した投稿だ。これに対し「アシスタントを低い年収で使い潰しているのは発注者である漫画家の方」とする反論が投稿されると、さらに「漫画家は原稿料だけでは生活費やアシスタント代を賄えない」「漫画家を責めるのではなく、(漫画家に発注している)出版社に対して声を上げるべき」「出版社も不況の中、儲けが少ない漫画に対して原稿料の値上げをするのは難しいのでは」などとする意見が寄せられた。
X上の意見の通り、原稿料のみで生計を立てることが難しいほど原稿料の相場は安いのか。三河さんは「デビュー間もない新人漫画家や、連載を目指して読切を書き続けている段階の漫画家さんにとっては、原稿料だけで生活するのは確かに厳しい」とし、次のように見解を述べた。
「ヒットが出れば、単行本の発売による印税収入があるので、原稿料がアシスタント代や仕事場の家賃や光熱費に当てられたとしても、単行本売上利益が手元に残ります。ヒット作が出るまで持ち堪えられるかどうかの瀬戸際にいる漫画家さんにとっては『原稿料で生活ができない』し、その段階にいる漫画家の原稿料の『相場が安すぎる』ことになります。ヒット作に恵まれて十分な利益を得た漫画家は『原稿料が安い』『相場が安すぎる』という実感はないので、(そのような)発言はされないと思います。
ヒット作に恵まれる前の新人漫画家や、なかなかヒット作に恵まれず漫画家を続けることが難しくなってきた漫画家さんから見たら『相場が安い』ことになるので、そういった発言が目立つのではないでしょうか? 人気商売なので、売れれば原稿料が上がり、売れなければ原稿料は上がらないわけで、『相場』という概念を持ち込むのが難しいようにも感じます」
「ヒット作を出していなくても漫画家を続けていられるような余裕が、豊かな土壌となって、多くの名作を生み出してきたことを思うと、『原稿料だけでは生活できない』という漫画家の嘆きに対して、業界が現状の改善に取り組まなければ、日本の見開き漫画文化は衰退していくのではないかととても心配しています」
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X(旧ツイッター)上で、漫画家の原稿料について「安すぎるのではないか」「値上げすべきだが、出版社も原稿料を上げることは難しい」など、さまざまな意見が飛び交っている。