1. 2023/09/21(木) 17:18:58
■「自信」を失わせる合わせ調味料の氾濫
一つ目は、合わせ調味料(シーズニング)の隆盛である。
外国料理の味は、レシピがあれば自宅でも再現できる。しかし、これだけ多彩にあるモノのレシピをいちいち覚えるのは大変、と思う人もいるだろうし、めったに使わない調味料を揃えるのも無駄を増やしてしまう。それで、便利な合わせ調味料の出番になる。
つまり、食べたい料理が増えるスピードに、台所の担い手が追い付けなくなってしまったのだ。
出典:gendai-m.ismcdn.jp
二つ目の要因は、自分の料理よりテイクアウトの総菜など外の味を基準にする、台所の担い手が増えたと思われることだ。
日本では近代以降、外国料理を積極的に採り入れてきた。その傾向が加速したのが高度経済成長期。
洋食・中華が家庭に定着したことで、味に保守的な男性たちが小料理屋などに「おふくろの味」を求める傾向が生まれ、和食の料理家が「おふくろの味」を大切にしよう、と訴えるようになった。
この時代に定着した外国料理の味は、既成の商品で作る人が多い。カレーはルウを、スープはブイヨンを、麻婆豆腐は麻婆豆腐の素を使って料理する。外国料理を手っ取り早く作る方法として、合わせ調味料が開発され家庭でも採用されたのである。
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近年、家庭の味の原点が見えなくなっているのではないか?と思わせる傾向がますます強まってきた。そう思う理由は二つある。