1. 2023/09/13(水) 18:56:05
「今の彼氏と結婚したいと思わないの?と聞いたんですね、世間話のような軽い感じでですよ。すると美久は『なんでわざわざそんな面倒しょい込む必要があるの?』と言って鳩が豆鉄砲くらったような顔をしたんです」
つき合っていて何の不満も不足もないのに、なぜわざわざ入籍したり姓を変えたり、高いお金を使って新たに住まいを用意したりしなければならないのか、本当にわからないと娘は言った。
「それに、わざわざ一緒に住んでどちらがどの家事をいつやるとか、お金をどうやって使うとか話し合うのもウザい。それに、業務のように家事をやるなんてあり得ない、と言うんです。まあ、今はお互いに実家で家事も親にやらせて、お金も自分で稼いだものはあらかた自分のものになって、何のストレスもありませんから、彼らがそう思うのも無理はないかもしれませんけど、それでも昔の感覚だと、親から独立して所帯を持ちたい...となりますよね」
「こんな世の中で子供産んで、どうやって幸せになれって?」結婚願望ナシの今時の若者はどう生きるのか。 | FORZA STYLE|ファッション&ライフスタイル[フォルツァスタイル]
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「彼氏が遊びに来ると美久が言ったので、私はてっきり結婚を前提につき合ってる、みたいな報告を受けるものだと思っていたんです」
「こんな世の中で子供産んで、どうやって幸せになれっていうの、と娘は言っていました。子供が減って、将来国民1人ずつにかかる負担は今よりさらに大きくなることも目に見えているし、国が軍事費を増やしたりミサイルが飛び交ったりしているなかで、もし他国のように徴兵制でも始まろうものなら、かわいいわが子を軍隊に行かせなければならないのよ、と真顔で言うんです。軍隊だなんて......そんなふうに考えているとは、正直驚きました。私はそんなこと、考えたこともありません」
「彼氏の親御さんも、しょっちゅう息子さんに結婚は考えていないのか、美久ちゃんとってもいい子じゃないのとけしかけている、とおっしゃっていました。でも、息子さんも全く結婚を考えていないと言っているそうなんです」
確かに今の時代は「結婚したらこんなにいいことがある」と若者に対してプレゼンできる社会状況にあるとはとても言えない、と彼氏の母親も呟いたという。
「やみくもに結婚を勧めても、不承不承結婚した子供たちが幸せを実感できないなら意味がないとは思うんですよ。でも、本人の意思が一番大事と知りながら、諦めきれないのもまた親心なんです」
少子化うんぬんの前に、若い世代が「今さえ楽しければいい」という考えに陥って無気力化してしまわないか、とても心配だと言って孝代さんは肩を落とした。
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今回、一人娘に関するお悩みを聞かせてくれたのは、パート従業員の長谷部孝代さん(61歳・仮名)。孝代さんは40代で夫と離婚して以来、娘の美久さん(31歳・仮名)と2人で暮らしてきた。