1. 2023/09/08(金) 10:55:04
人口減少社会というのは、人口密度の低いエリアの生活費がこれまで以上に高くつくようになる社会でもある。
商圏が小さい地域ほどサービスや商品が割高になり易い傾向については、先述したEY新日本有限責任監査法人と水の安全保障戦略機構事務局の「人口減少時代の水道料金はどうなるのか?(2021年版)」も指摘している。
2043年度には全国の水道料金格差は24.9倍に広がるというのだ。マンションが林立する人口密集地とは違い、住居が点在する過疎地域では水道管の距離を長くせざるを得ず、それを維持管理するのに見合う収入は得づらいことが背景にあるわけだが、給水人口が少ない小規模事業体や人口密度の低い事業体ほど料金の値上げ率は高くなる傾向となり、50%以上の値上げが求められるのは給水人口20万人未満の事業体に集中すると試算している。
こうして生活費が高くつくようなことになれば、年金収入を主柱とする高齢者などの暮らし向きは大変となる。マイカーなどで移動することが困難になる人も増える見通しだ。過疎地域ほど住民の高齢化率は高く、社会機能が麻痺しかねない。
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観測史上「最も暑い夏」となった今年は、降雨量も少なく、地域によっては取水制限が検討されるなど、「水不足」が深刻化している。そんな中、全国各地で実施されているのが「水道料金の値上げ」だ。日々の暮らしに欠かせない水の値上げは家計を直撃する問題だが、その背景には何があるのか。ベストセラー『未来の年表』シリーズの著者・河合雅司氏(作家・ジャーナリスト)が解説する。